暮らしにフェイクグリーンを取り入れる

部屋の中にグリーン(植物)があると気持ちがホッとしたり、インテリアを引き立ててくれて空間にオシャレな印象をもたらす。屋外だけでなく、室内にも積極的に取り入れたい植物のある暮らしなのだが、マンションの場合、角部屋でもない限り、トイレや浴室に窓がないなんてことは珍しくない。そこは普段、電気をつけていないときは完全な闇になっている空間なのだ。

日の当たらないところでもたくましく育つ植物はあるようだが、光合成の必要が大前提の植物にとってはかなり過酷な状態であることは容易に想像できる。できるだけ日当りのいいところに移動させて、光と水と養分を与えるというお世話が必要ではないか。

この手間暇をかけず、暗がりでもグリーンの持つ癒し効果を期待できるのが「フェイクグリーン」である。

フェイクグリーンとは、本物ではない植物のこと

あのビニールっぽい素材の、ぴかぴか光る質感の造花のことか。とガッカリすることなかれ。最近の造花はリアルさだけでなく、素材に工夫をすることで、本物の植物にはない室内対応型の機能性も兼ね備えている。

遠目には本物のように見えるリアルさ

いくつか買ってみて、シサスバインという植物のフェイクグリーンをトイレにひとつ置いてみた。まず、植物の持つやさしい雰囲気や癒し効果は出ていると思う。さすがに間近で見たり、触ったりすると作り物だとわかってしまうが、人工的ではない自然な印象のグリーンの彩度。葉の広がり方としなり方。これらの再現がよくできている。こうした自然のように見せる作り込みが、従来から個人的に持っていた造花に対するいまいちなイメージを変えてくれた。

水回りには、葉が小さく可憐な雰囲気のグリーンがよく似合う。部屋と違って、そこで行う目的がひとつであることから、身の程をわきまえている控えめな佇まいが好ましく映るのだろうか。

空気清浄効果にも期待

光触媒(ひかりしょくばい、: photocatalyst)は、を照射することにより触媒作用を示す物質の総称である。また、光触媒作用は光化学反応の一種と定義される。

ウィキペディア

それは電球やLEDなど、人工の光であっても効果を発する素材である。最近の多くのフェイクグリーンは、光触媒の素材を使い、空気清浄効果や消臭効果が期待できるものが多い。トイレなどにはピッタリである。
このシサスバインにも光触媒という記載のタグが付いていたのだが、さすがに葉つきも小さいので効果のほどはわからなかった。しかし、背丈ほどある大きな観葉植物などのフェイクグリーンでは部屋の空気清浄効果を実感できるかもしれない。

レストランやスーパーマーケット、病院などでも活用されている

本物の植物だと害虫問題に悩まされることがある。本物の植物は有機物であり、土や水から養分を得て成長する以上、そこに微生物や害虫が発生することは自然なこと。お世話をする労力とそれに応えてくれる成長を楽しむのが植物と向き合う本来の醍醐味である。

しかし、レストランやスーパーマーケットなどの食品を扱う場所、あるいは病院などで害虫が発生してしまうと衛生面が問題となる。また、地下のレストランなどでは、じゅうぶんな採光を得られず植物本来の成長に期待することができないという事情もある。

そこでフェイクグリーンを利用しているお店が多いということなのだろう。フェイクであっても、あるのとないのとでは空間にもたらす効果の違いは歴然である。

商品陳列のノウハウを扱う「VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)」の分野では、商品の近くに植物のモチーフをディスプレイすることで売り上げが3割程度伸びるという研究があり、グリーンには物の魅力を高める視覚効果があるのだという。春には桜。秋には紅葉。クリスマスにはモミの木。たしかにスーパーマーケットのディスプレイの定番である。

手間が一切かからないフェイクのすすめ

水をあげて、日当たりを考えて、剪定して、台風がきたら避難させて。本物の植物を育てるのは手間もかかる分、その成長やうつろいを楽しめるのが魅力だろう。

いっぽう、フェイクグリーンは成長することはなく大きさも変わることはない。虫も寄ってこない。場所を決めて置いたら他にすることはなく手はかからない。これはこれで与えられた環境における本物にはないフェイクグリーンの魅力だと思う。それでいて本物の植物が持つ癒し効果や栄えの効果を与えてくれるのだから、むしろこっちのほうがいいという考えさえあって然るべきかもしれない。

今回いくつかのフェイクグリーンを買ってみて、これはインテリアにおけるグリーンの意義として全然ありだと感じた。部屋の中で衛生面を気にすることなくグリーンの恩恵を受けられるのだから、今度は寝室に大きな観葉植物を置いてみたいという気になってきた。

 
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