引き算の美学 MYNUS iPhoneケース

MYNUS(マイナス)というブランドのiPhoneケースの話。同ブランドのiPhone8用ケースに続き、iPhone12 mini用のケースを買ったので書いてみます。

グラフィックでもウェブサイトでも、またはファッションやプロダクトの世界でも、デザインにおいてシンプルというコンセプトはとても高い魅力を持っています。対象の魅力をすっきりと端的に引き立てる表現であることから、嘘を感じにくく誰からも好感を得られやすいのだと思います。

デザインとは、価値を高めるためにあれやこれやと装飾を付け足すことではなく、対象のもっとも魅力的なポイントを引き出す試みであることから、時に「デザインは引き算で考えよ」と論じられたりします。

MYNUSのプロダクトデザインはその名のとおり「引き算」をコンセプトにしています。そもそもプロダクトとしての美しさが魅力のiPhone。MYNUSはiPhoneのデザイン性を損なうことなく、ただ保護するための存在として、ケースからは過剰な装飾を削ぎ落としています。もっともそうしたコンセプトのiPhoneケースは他にもあって、例えばApple純正のケースなどがそうです。

しかし、MYNUSのケースが本家Apple純正より優れていると感じるのは、iPhoneのウィークポイントには足し算の発想を施している点です。ウィークポイントのひとつは背面のカメラ部分。画質の向上のために取り付けられた二つないし三つの物々しいレンズ。さらにこのレンズ周りには謎の台座のような四角に隆起したプレートがあります。

Apple純正ケースのように、プレートの形に沿って四角にケースを切り抜くことも素直な引き算の発想だと思いますが、MYNUSのケースはこのプレートを隠すという発想的足し算を行なっています。これによりそもそもこういうデザインのスマホなのだと錯覚させるほどの高いクオリティを実現しています。

iPhoneは裸でもつ派なのですが、Apple純正のものと、このMYNUSのケースには毎回お世話になっています。

いつもはブラックを選ぶのですが今回ははじめてマットホワイトにしました。さらなるシンプルの高みを目指して壁紙も白にしてみました。美しい佇まいで、今はこれが気に入っています。


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