多くの会社員の方たちは、土日祝、年末年始がお休みです。なので、休日の観光地や商業施設は混み合います。観光地、施設側は、平日は空いているのに、週末や大型連休は受け入れきれず制限をかけたりします。当然、受け入れていた場合の収益は上がりませんから、そのぶんピーク価格を設定したりします。混雑と割増価格を憂慮してそもそもそういう場所へ気が向かない会社員の方も多いでしょう。
土日祝、大型連休における一極集中は双方にとってデメリットですし、社会にとっても経済的な損失だと思うんです。これを解消できれば、エネルギーの分散という意味でも幾分かエコな気がします。
そこで、可能な限りの企業を年中無休にしてはどうか。土日祝も営業するわけですから、従業員は交代で働くようになります。おのずと平日に休みをとる人が出てきます。平日の美容院なら予約なしでも入れるかもしれません。平日のテーマパークなら並ぶ時間も少ないかもしれません。
企業としても365日フル稼働ですから利益拡大の仕組みを発明できるかもしれません。交代勤務なので人員(雇用)を増やさないといけません。全ての社会人がハッピーになるんじゃないでしょうか。
こんなことをぼんやりと考えていたら、学生、特に小学校、中学校はどうするの?と行き当たりました。教室に一堂に集まり、リアルタイムで先生の授業を受けるので、バラバラと休まれては進捗が滞る。録画した授業でリモートにすればいいかとも思いましたが、若い人たちからこれ以上リアルの活動の現場を奪うことには反対です。
そうなると、会社員の親が平日休みになったところで家族連れでの消費は起こりづらい。
小学校、中学校は広い教養を得るための義務教育ですから、大学のようなカリキュラム(登校日)の選択は、学力、知識に偏りが生まれることが懸念されていますし、そもそも協調性や多様性に関する「体験を共有する」という要素が強い。みんな集まれーが健全なイメージですけど、せめてクラス単位で登校日を設定するとか、何かの工夫の余地がないものかと。難しいんでしょうかね。
考えていくと極論まで行ってしまうんですけど、いっそのこと曜日という概念をなくしてしまったら面白いのではないか。1から31日まで、ただの数字の連続の中で暮らしてみる。心理的にはけっこう刺激的ですけども、社会のシステムは意外とエコで柔軟に働くかもしれません。経済も満遍なく緩やかに流れ出すのではないでしょうか。曜日を気にせず予定を入れていくエコカレンダーシステム。
空いているテーマパークやアウトドア施設で子どもたちが思いきり楽しめたらいいなあと思って空想した話です。
「限りある時間の使い方」という本を読みました。
1930年ごろのソ連で行われた社会実験。工場の労働者をいくつかのグループに分けて、曜日に関係なくグループごとに休みをランダムに割り当てました。結果、工場は効率的にうまく機能するのですが、平日に休みを取らされた労働者は、仕事に行く家族や学校に行く子どもと一緒に過ごすことができないため、休暇の意味を見出せず、幸福度は上がらなかったそうです。
けれども、これは今から90年近くも前の実験結果のようです。いまは娯楽もパーソナルなものとなり、誰かと同じ場所、時間を共有しないと楽しめないというものではありません。むしろ、一人の時間の確保というのは現代では逆に貴重なものとなっているのではないでしょうか。